【起業したい人向け】 決算って何するの?決算書って何?決算は絶対必要?

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こんにちは、ひめのです。
起業しようと思っても、実際会社を作った後何をしなければいけないか、わからない方は大勢いると思います。

そんな方のために、今回は会社を設立することを前提として特に会計に関係することについて解説します。

決算って何するの?

広告で「決算セール」などの言葉を目にしたことがある人は多いと思いますが、経営や会計に携わっていないと「決算」って何かよくわからないと思います。

「決算」とは端的に表現すると「会社の1事業年度の成果や財産の金額を測ること」を言います。

会社を設立する際に決算日を決めますが、その決算日が1つの事業年度が終了する日となり、大抵の場合1事業年度は1年間としていることが多いです。

決算日を過ぎると、定められて日までに1事業年度の成果や決算日時点の財産の金額を集計します。

実際にはまとめて上記の作業を行うというよりは、日々記録として積み上げていくこととなります。

そして、決算の記録・集計方法が「複式簿記」によることと制度上決まっていて、出来上がったものを総称して「決算書」と呼んでいます。

決算書って何?

では「決算書」とは具体的に何を指しているのでしょうか?

決算で提出する書類に関する総称は各法律で定められていますが、一般的に「決算書」とは次の書類の総称を指しています。

①貸借対照表
②損益計算書
③株主資本等変動計算書
④個別注記表
など

今回はこのうち①と②について簡単に説明します。

①貸借対照表とは

貸借対照表とは一言で表すと「決算日時点での会社の財産(プラスもマイナスも)を表示した書類」です。

具体的に貸借対照表には次のような情報が詰まっています。

決算日時点における状態として、、、

・現金や預金がどのくらいあるか
・売掛金(売上のうち未回収で入金予定のもの)がどの程度残っているか
・建物や車両・設備といった固定資産は持っているか
・本業以外の投資があるか(株式投資など)
・買掛金や未払金(将来支払うべき仕入や経費)がどの程度残っているか
・借入金の残高がどのくらいあるか
・将来返金すべき預かっているお金がいくらあるか
・当初の出資金額(資本金)がいくらなのか
・過去の利益の累積金額がいくらなのか

②損益計算書とは

損益計算書とは一言で表すと「1事業年度の経営成績を表示した書類」で、こちらの方がもしかしたら馴染みがあってイメージしやすいかもしれません。

損益計算書は1事業年度(1年間で)の累計として下記の項目が表示されています。

・売上高
・売上原価
□売上総利益(売上高-売上原価)
・販売費及び一般管理費(販管費)
□営業利益(売上総利益-販管費)
・営業外収益、営業外費用
□経常利益(営業利益+営業外収益-営業外費用)
・特別利益、特別損失
□税引前当期純利益(経常利益+特別利益-特別損失)
・法人税等
□当期純利益(税引前当期純利益-法人税等)

売上総利益・営業利益・経常利益など、〇〇利益とついている□項目は「段階利益」と言います。

例えば、本来売上原価であるにもかかわらず販売費及び一般管理費に計上してしまっていると、会社全体の利益には影響しませんが「段階利益」には影響してきます。

「段階利益」は経営成績を分析する際の重要指標ですので、「段階利益」が変わってしまう計上ミスは避けたいところです。

決算は絶対必要?

前段で説明した決算(決算書の作成)は絶対必要です。

絶対必要な理由は2つあります。

①法律で定められている
②事業の成果を測り、将来の意思決定に必要

①法律で定められている

会社を作ると少なくとも2つの法律に準拠しなければなりません。

・税法
・会社法

です。

税法上は、決算書を作成しその情報をもとに税務申告書を作成して申告しなければならないとされており、1事業年度の事業の成果に応じて法人税等を計算・申告して納税する義務があります。

会社法上も、決算書の作成義務がありますので、起業して会社を設立すると少なくとも年に1回は必ず決算書を作成する必要があります。

②事業の成果を測り、将来の意思決定に必要

事業を持続発展させるためには、定期的に事業の成果を測り、その情報を経営の意思決定に活用しなければなりません。

何も数値情報がない中で経営することは昨今の事業環境では大きなリスクであるため、成果を把握できる数値情報が必ず必要となってきます。

事業の成果や事業から生み出される財産を、体系的に効率よく記録・集計できるのが「複式簿記」による記録であり、成果物として作成されるのが決算書です。

ちなみに、事業を行う上では、決算書だけでは読み解けない大事なことがあります。それは「資金繰り」です。

資金の管理は常日頃からリアルタイムで行う必要があり、決算書を作る会計帳簿とは別に管理する必要があります。

「資金繰り」の管理の重要性については、別のブログに詳しく書いていますので、そちらもご参考にしていただければと思います。