【今さら聞けない会計のキソ】 会計は2種類あるって知ってますか??

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こんにちは、ひめのです。
会計には種類があり、大きく分けると2つに分類することができます。今回はそれぞれの種類について解説したいと思います。

会計は2種類あるって知ってますか??

会計はおおきく2つに種類分けできます。

それは、「財務会計」「管理会計」です。

1.財務会計とは

財務会計とは、制度上定められ外部に報告することを目的とした会計のことを指します。

会社法金融商品取引法等で定められた財務諸表等を作成するための会計であり、企業会計基準は財務会計に関して体型的に整理された基準となっています。

通常、経営者は株主に対して会計の情報提供を行う責任があるため、財務会計は外部の投資家や債権者等に対して報告するという情報提供機能を有しています。

また利害調整機能も有しており、経営者と株主(中小企業ではここが一致することは多いと思いますが。。。)や株主と債権者といった、利害の対立するもの同士を財務報告することで不必要に社外へ資金を流出したりしないよう調整する機能があります。

また、中小企業においてはどちらかというと税務申告が法制度上の義務としてフォーカスされがちですが、どんな会社でも会社法を遵守しなければならないため、全ての会社に財務会計が必要です。

そして税法上は、株主総会への報告又は承認を経た決算数値を基に加減算調整して所得計算を行う「確定決算主義」をとっていますので、基本的には財務会計と一体化されています。

2.管理会計とは

管理会計とは、経営者やマネジメント層の意思決定組織の業績管理や評価を目的とした会計のことを指します。

管理会計は、財務会計のような制度の定めはないため、各企業で自由に管理方法を考え活用していくものとなります。

管理会計には例えば次のようなものがあります。

・事業別損益管理
・部門別損益管理
・標準原価計算
・活動基準原価計算
・固変分解とCVP分析
・予算策定と予実管理
・アメーバ経営
など

管理会計は、さまざまな管理会計の研究や経営実務の中から考案されたものがあり、それぞれの企業に合わせて活用するとともに、事業環境の変化に応じて適宜修正更新していくものと考えられます。

その中のうち原価計算は、例えば「製品1つあたりの原価がいくらとなるか」ということを、いくつかの方法によって算出します。

原価計算は財務会計にも密接に関係しており、原価計算の結果が財務会計の金額と一致するように管理することが多いです。

管理会計は内部管理のためのものであるため、必ずしも財務会計と一致していない場合もあり、次に解説する財管一致についての論点もあります。

財管一致とは?? 財管一致の難しさ

財管一致とは??

財管一致とは、財務会計と管理会計の結果が一致していることを指します。

「財務会計と管理会計は一致していて当たり前では?」と思う方もいるかもしれませんが、実務上はそんな簡単ではありません。

前段でも書いたように、財務会計と管理会計は目的が違います

管理会計の目的は経営の意思決定に活用することが目的ですので、細部まで正確に財務会計と一致していなくてもある程度の概算情報で即時に情報提供する方が重視される場合があります。

財務会計と管理会計は常に一致させるべきという意見と、財務会計と管理会計は必ずしも一致していなくても良いという意見は今でも分かれているのが現状のようです。

財務会計と管理会計は一致していることに越したことはないと思いますが、財務会計では制度で定められ外部に報告するためのものであるため、精度が高い正確な実務が求められ結果として相応の時間と労力を要します。

一方管理会計では、経営の意思決定に利用する場合は情報の即時性が重視されることが多いですので、あまり時間をかけていては意味のないものとなってしまいます。

組織内の業績評価についてもある程度は正確性は求められると考えられますが、次の意思決定のためには情報提供のスピードは必要になると思います。

財管一致の難しさ

財務会計システム内で無理やり細かく分解した仕訳を入力して、管理会計の要素も入れ込み財務会計システム内で全て完結しようと考えることもあります。

しかし、これは却って業務を煩雑としてしまい情報の即時性が損なわれるとともに、システムの運用や数値の管理を維持するのが難しくなる恐れがあります。

最近では、SaaSシステムで管理会計アプリをAPIで財務会計システムに連携することも多くなりつつありますが、この場合においても、連携後に管理会計アプリ側で数字の変更が行われないよう注意が必要です。

以上を踏まえて、実務上の対応として個人的には次のような見解を持っています。

1.管理会計アプリから財務会計システムへ連携することについて

基本的には効率性の観点ではポジティブに捉えています。しかし、前段で書いたように、連携後にどちらかのシステムで数値が変わってしまい、整合性が取れなくなってしまう恐れがあることが留意点で、システムのことをしっかり理解して利用しなければ、その機能を十分に活かせないだけでなく、最悪の場合財務会計側の数値が誤ってしまうことも想定されます。

2.利益まで管理することについて

当然、財務会計上の利益と管理会計上の利益に大きな乖離があると本末転倒ではありますが、ある程度の差分は許容することも必要かと思います。 または、差分について簡易的な分析をして財務会計との差異内容を明らかにすることによりカバーすると良いのではないかと思います。