資金繰り表を作成する目的が「お金を借りるためだけ」になっていないか??
こんにちは、ひめのです。
資金繰り表を作った人は結構多いと思いますがが、作ったあと活用している人は少ないかもしれません(特に中小企業や創業当初の企業が多いように思います)。
そこで今回は、資金繰り表を作成する目的について書きたいと思います。
資金繰り表を作成する目的が「お金を借りるためだけ」になっていないか??
とりわけ中小企業の資金調達は、金融機関からの借入に頼るところが多いと思いますが、その借入の申込時に必ずと言っていいほど求められるのが資金繰り(予定)表です。
資金繰り表は、借入申込時点から将来に向かって、事業により得た収益と支出した費用から生み出されるキャッシュ・フローを予測して作成します。
借入により調達した資金をどのように使用していくかということや、事業収支による返済原資をどのように確保していくかということを、事業計画と整合させつつ、資金繰り表に反映していきます。
資金繰り表を「金融機関からの借入の申込に必要だから作りました」というのは、非常にもったいないです。
当然ですが、お金を借りることがゴールではなく、そのお金を使って事業を行い利益を得ることが目的であり、さらに借りたお金は返さなくてはなりませんので、返済できるぐらいの利益を出せるように努力しなければなりません。
その過程において、お金の管理は重要な経営管理のひとつであり、資金繰り表を使って適切にお金に関するマネジメントをしていくことが必要です。
金融機関からの借入時に作った資金繰り表が、借入実行後放置されてしまっているケースが思いのほか多く、そもそも、作った資金繰り表をどのように活用すれば良いか分かっていない経営者や事業主も多いのではないかと思います。
資金繰り表を作成する本来の目的
資金繰り表を作成する本来の目的は、資金繰りを管理するためのツールとして使うことです。
資金繰りの管理は、一時点で完結するものではなく、日々更新され常に未来に向かって変動する管理です。
事業の状況の変化に応じて予定や予測を更新することや、当初立てた資金繰りの予定との比較により原因分析をするなどの経営管理は重要です。
売上や経費、利益の情報も大事ですが、それらが実際にキャッシュとして動くタイミングを把握することの方がもっと大事です。
資金繰り表を作成することは、売上や経費について、それらがいつキャッシュとして出入りするかを可視化するために実施するものであり、その情報を利用して、資金の使途を決定したり、資金調達の検討をしたりというマネジメントをしていきます。
したがって、資金繰り表を作成してそのままにしていること自体、本来経営管理においては望ましくない状態と言えますので、資金繰り表を作成したのならばそれを活かした管理も考えていくべきと思います。
もちろん、資金が潤沢にあれば、すぐさま資金が枯渇して資金繰りに窮することはないかもしれません。
しかし、資金が潤沢にあったとしても、事業の拡大のために積極的に資金を使いたいと思った時「いくらぐらいまで使っても大丈夫か?」という判断をする上では、資金繰りを管理していないと判断がつきづらくなってしまいます。
つまり、資金繰り表の作成と資金繰りの管理については、お金に余裕があるなし関わらず必要なことであり、経営におけるお金の管理の基本となる部分であると思います。
そして、資金繰りの管理については、簿記のような特別な知識は必要としませんので、誰にでも管理をすることができます。
お金に関する管理は専門知識が必要という固定概念があるとするならばそれは間違いですので、苦手意識を持たずに取り組んでもらえたらと思います。
あとがき
以上、今回は資金繰り表の作成目的について書きました。
書いた内容は当たり前のことかもしれませんが、分かっていてもできていないことってあると思います。
その一つが資金繰り表を経営に活かすことです。
今はたまたまリスクが顕在化していないだけで、実は危うい状況であることを認識することは大切で、その認識があれば資金繰りの管理は必然的に行わなければならいことであると理解できると思います。
もし、金融機関の借入時に作った資金繰り表を放置したままの人がいたら、このブログをきっかけにお金の管理について見直すことになれば幸いです。