(中小企業の経理実務)いつまで経っても効率化が進まない根本的な理由とは??

こんにちは、ひめのです。
随分と前から中小企業の経理実務の効率化がDXも含めて課題となっておりますが、なかなか効率化が進んでいない企業も少なくないのではないでしょうか。

表面上だけシステム化して効率化したようにしても、根本的な部分が解決していないと結局は同じように手間と労力がかかってしまうことにもなりかねません。

そこで今回は、中小企業の経理実務の効率化がなかなか進まない根本的な理由について書きたいと思います。

いつまで経っても効率化が進まない根本的な理由とは??

中小企業の経理実務の効率化・DXがなかなか進まない原因としては、私が思うに、次のようなことが原因で業務フローの一部がボトルネックとなってしまっているからではないかと考えています。

原因① 社長が全て握っているので情報が降りてこない
原因② 業務が属人化してしまってブラックボックス化している

原因① 社長が全て握っているので情報が降りてこない

特に小さい企業の場合、社長自らがお金の入出金から各種資料の受け取りも窓口になってしまっており、社長はただでさえ忙しい中で経理実務に必要な情報を提供しなければならないため、資料や情報の提供が遅れがちです。

また、トップ営業により決まったことについて情報共有が漏れていることがあると、誰も把握していない支払いや入金が発生するなど、たとえ業務に関するルールを決めていたとしても社長自らが逸脱してしまい、結局確認の手間がかかってしまうことにつながります。

原因② 業務が属人化してしまってブラックボックス化している

長年担当してくれている担当者がいる場合、完全に任せきりとなってしまい、気づけばその担当者にしかわからないような方法で業務をおこなっていることも少なくありません。

誰かに引き継いだりシステム化したりしようとしても、業務自体が属人化してしまっていて誰も理解できず標準化に手間取る可能性があります。

またそのような場合は、担当者が慣れ親しんだ方法を変えたがらないという問題もあります。

長年続けてきた方法で慣れていますので、その担当者にとって慣れた方法を変えるというのはストレスになるのと、効率的な方法に変えるとしても最初は慣れないので時間がかかることもありますので、業務を改善して変えることを担当者自身が意欲的でないとなかなか前に進みません。

解決策を教えます!

解決策① 権限移譲を進める
解決策② 社長に例外を作らない

解決策① 権限移譲を進める

社長が抱えてしまっている管理業務をなるべく下の階層へ権限移譲する必要があります。

場合によっては、担当者がいなければ会計事務所や代行会社などの外部へのアウトソーシングを検討することも必要でしょう。

今まで管理業務を自分でやってきた社長にとって、誰かに任せるということはすごく不安になることと思います。

特にお金が絡む部分ではなるべく自分で管理しておきたいというニーズからなかなか手が離れないで自分が抱えてしまっていることもあります。

事業が拡大していく中では、いつかはお金の管理も含めて権限移譲するタイミングがきますので、それが早いか遅いかの違いだけです。

自分の手から離れることに対する不安については、不正やミスが起きないよう事前にしっかりと内部統制を構築しておくことでカバーできます。

担当者の一存で全てできないよう承認フローを作ったり、事後的に発見する仕組みを作ったりすることで、組織としての管理が機能します。

一見承認フローなどを構築すると、かえって手間が増えるようにも思えますが、社長がしなくても良い業務を手放すことで、社長の時間を作ることができたり、自社の管理を組織的に動かしたりすることができますので、今後事業が拡大していく中で慌てることなく業務を回すことができ、業務が標準化され内部統制が機能していることで未経験者や若い人材も積極的に採用することが可能となります。

解決策② 社長に例外を作らない

上記の続きでもありますが、内部統制を構築することは自社で業務を効果的に効率化するためのルール作りのようなものです。

しかし、社長がすべて最終的な決裁権があるからといってすべて自己の判断で行ってしまい、せっかく作ったルールを社長自らが逸脱してしまっていては、本末転倒となってしまいます。

社内のメンバーでコツコツとルールに従って適切に運用していたのに、一番重要な部分でひっくり返してしまい、ルール通りに処理されなかったものがあると、ルールそのものが形骸化しかねません。

したがって、社長自らがルール作りの中心となり、自らも逸脱しないように適切に運用することを心がけることが業務効率化への近道であると考えます。

あとがき

以上が、中小企業の経理実務について、いつまで経っても効率化が進まない根本的な理由を解説しました。

なかなか効率化がうまくいかなかったり、業務自体がごちゃついたりしてしまう原因は、業務のどこかにボトルネックとなってしまっている部分が存在します。

したがって、どこに原因があるのか業務フローをまずは明確にして、社長自らが認識した上で効率化に取り組む必要があるのではないかと思います。