中小企業でも経理関連業務はこんなにある!? 〜広範な業務を再認識してビジネスを加速〜

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今回は、中小企業の経理業務の多面性に迫り、その重要性と広範な拡張性について解説してみたいと思います。

今回まとめた内容を見ることで、経理関連の管理業務の全体像を掴み、業務自体の重要性や、今後の業務改善等に活かしてもらえたら幸いです。

中小企業の経理関連業務の概要を知る

中小企業では、普段から必要に応じて対応している業務や、(社内外含めて)誰かに任せている業務も含めて、経理関連業務が多く存在しますが、日々の業務に追われて業務が整理できずにいる企業は少なくありません。

そのような状況は、昨今中小企業のDXが進まない要因の一つとも言え、その結果、多くの非効率や不透明性が生まれ、業績向上の妨げになってしまう可能性があります。

今、中小企業において行うべきことは、経理関連業務の全体像を理解することにより、これらの問題の改善策を見つけることです。

経理業務は「単純で簡単な業務」と思われがちで、優先順位や重要性を過小評価してしまっているケースが散見されますが、実際には、経理業務は幅広く多岐にわたり、しっかりと把握し管理することが求められ、特に、業績好調で成長している企業の経営者は、経理業務の重要性を深く理解しています。

しかし、重要度を理解していたとしても、中小企業では管理業務に割ける人材も少ないため、分業するというよりは、様々なことを一人で何役もこなさなければならないのも現状です。

会計帳簿への記録、定期的な業績の把握、今後の事業展開に必要な情報提供は必要不可欠ですが、それに加えて、営業事務系、人事系、財務系の仕事まで、幅広く担当するケースも少なくありません。

例えば、中小企業の経理担当者が関わる可能性のある業務について、次のセクションで詳細に見てみましょう。

中小企業の経理担当者が関わる可能性のある業務

1.営業事務系

・売上請求書作成・発送業務
・顧客マスタ管理
・仕入や備品等の発注業務
・支払請求書の受領・整理等の管理
・在庫管理
・商品等の受払管理

人事系

・従業員等の給与計算
・源泉所得税、住民税等の公租公課の納付管理
・年末調整、法定調書の作成・提出
・社会保険の手続、年度対応
・労働保険の手続、年度対応
・従業員の入退社に伴う手続やマスタ登録作業

財務系

・従業員立替経費の精算
・支払業務
・入金管理
・資金繰りの管理
・資金残高の管理
・口座の管理

会計系(日次・月次業務)

売上高の計上
・仕入、原価、販管費の計上(支払請求書)
・人件費(給与、法定福利費)の計上
・従業員立替経費の計上
・クレジットカード決済経費の計上
・入出金に伴う、売掛金の消込、買掛・未払金の消込
・借入金の返済計上
・借入れ実施に伴う借入金の計上
・固定資産の計上・固定資産台帳の登録(減価償却費の計上)
・その他入出金に伴う追加的な計上
・上記計上に際し、管理会計に応じて補助科目別・部門別等に計上
・各種証憑類の整理
・エビデンスデータ類(計算根拠や集計根拠)の作成・整理

会計系(決算業務)

・在庫計算及び棚卸資産の計上
・経過勘定の計上、取り崩し
・各種引当金の計上(貸倒引当金、賞与引当金、など)
・減価償却費の計上
・税金費用の計上(税金計算は税理士に依頼することが多い)
・PL推移分析、BS残高チェック、消費税区分チェック、前期比較チェックなど
・勘定科目明細の作成
・決算書の作成
・税務申告書の作成
・決算整理仕訳に伴うエビデンスデータ類(計算根拠や集計根拠)の作成・整理

その他

・管理会計(予実管理、KPI管理、各種分析、商品別・部門別損益管理など)
・借入れ等の資金調達に係る資料作成、対応業務
・補助金、助成金等に係る資料作成、対応業務
・各種法令改正に伴う追加的な対応(最近では電帳法やインボイス制度)

業務間のつながりとシステム化への道

これらの業務は、それぞれが他の業務と相互に関連しており、組織的に分業している場合でも、それぞれの業務がどのように連携しているかを理解し、適切にコミュニケーションを取ることが求められます。

つまり、もしもこれらが欠けてしまうと、業務は重複し、非効率的になってしまう可能性が高くなります。

まさに、中小企業でなかなかDXが進まないということの要因がここに潜んでおり、業務間の繋がりを意識したフローの構築が考慮しないまま、必要な業務が増える都度、その場凌ぎで対応して業務を積み上げてしまうと問題が根深くなっていきます。

しかし、システム化を活用することで、これら独立した業務を連携させ、業務の効率化を実現し、経営の成功に貢献する経理業務へと変革することが可能となります。

また、システム化の過程において、自社で今どのような行雨が発生しているかの整理が行われるため、部分的なシステム化でも十分に業務を進化できる余地があります。

まとめ

今回のブログでは、経理業務の多面性とその問題点について紹介しました。自社の業務を見直す際の、経理業務の複雑さとその重要性を認識しておくことが重要です。そして、中小企業がこれらの業務を効率的に遂行するためには、業務のシステム化をきっかけに、全ての業務が適切に連携する環境を再構築することが不可欠です。

まずは、このブログを参考に経理関連業務の内容について自社の状況と照らし合わせつつ、業務の整理のための項目だてやチェックリスト作成に役立ててください。

そして、業務を細分化してリストアップすることは、アウトソーシングできる部分やシステム化できる部分、または不要な部分を明確にすることができますので非常に有用な検討になります。

他のブログではDXのためのポイントについても解説していますので、こちらも併せて参考にしてください。

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