(これから起業する人へ) 損益よりもキャッシュ(資金)を見る経営をしよう!

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こんにちは、ひめのです。
これから起業する人は、事業の数字をどのように管理すればよいかわからないことも多いと思います。

「とりあえず〇〇で管理してみるか」といった安直な考えで始めてしまうと知らないうちに管理の中身がぐちゃぐちゃになって後々面倒なことにもなりかねません。

そこで今回は、これから起業する人(または起業して間もない人)のための数字の管理について解説したいと思います。

損益よりもキャッシュ(資金)を見る経営をしよう!

「損益よりもキャッシュ(資金)を見る経営をしよう!」

結論はこれです。

いまいちピンとこない人もいると思いますので、まずは「損益」「キャッシュ(資金)」の違いについて解説します。

損益の管理

事業を行うと、「売上がいくら」「経費がいくら」などを集計して事業の成果を記録し、その結果一定期間で利益が出たか出なかったかをみるのが「損益」の管理です。

事業を行う以上利益を出さなければいけませんので、損益を見ることは大切です。

少なくとも全ての事業者は税金の申告をしなければならないので、課税されるベースとなるものが簡単に言うと「損益」となります。

その関係から損益の管理は必須項目ではありますが、申告の期限にさえ間に合えばよいのであまり急いで記録をしなくても大丈夫かもしれません。

キャッシュ(資金)の管理

事業を行うにはお金が必要です。

最初から大きな売上が見込めることは稀ですので、起業した時点である程度資金を用意しておき、その資金を利用して最初の仕入れをしたり固定費を支払ったり売上を上げるための事業投資を行います。

資金がなくなってしまうと、事業を続けることはできなくなってしまいますので、使おうとするお金やこれから入金するお金の金額や時期を管理し、適切にキャッシュ(資金)を管理していくことが大切です。

キャッシュ(資金)の管理は、特に法制度上義務化されているものではありませんが、この管理を行なっていないと、突然資金状況が危険水域となってしまい事業継続が困難になってしまう恐れがありますので、事業を行う以上行うべき管理であると言えます。

つまり、このキャッシュ(資金)の管理は現在進行形で管理しなければならないことですので、後で行うということができない管理となります。

したがって、キャッシュ(資金)の管理は経営の基本とも言うべき管理ではないかと個人的に思っています。

損益よりもキャッシュ(資金)を見る必要がある、たった1つの理由

損益の管理もキャッシュ(資金)の管理もどちらも大切ですが、起業してから事業が安定するまでの間は資金繰りが不安定となることも多いので、特にキャッシュ(資金)の管理を優先することが重要です。

理由はただ1つです。

「損益」だけを追いかけていては、資金の状況がつかめなくなってしまい、急に資金繰りに窮してしまうことがあるからです。

そればかりではなく、将来の資金の状況を読めなければ、戦略的に資金を投下攻めの経営をしなければならないチャンスをも逃してしまうこともあり得ます。

起業したばかりの時は、売上よりも費用が先行し赤字となることも多いです。

事業の特性により様々ですが、営業努力により黒字化させるまでには一定の期間を必要とするのが通常ですので、それまでの間に頑張って「損益」を追いかけたとしても得られる情報はそれほど有益ではありません。

逆にキャッシュ(資金)の管理は、事業を継続させる「守り」と事業を成長させる「攻め」両方に必要で、起業当初から実行しなければならないことであり、これらの意思決定は損益の管理からの情報ではなくキャッシュ(資金)の管理で得られる情報から行います。

したがって、損益よりもキャッシュ(資金)を見る必要があると言えるのです。

ちなみに、キャッシュ(資金)の管理は通常の会計ソフトでは行えませんので、別途管理が必要です。

エクセルで行っても良いですし、資金の管理ソフトを利用しても良いですので、キャッシュ(資金)を意識した管理を行なってください。

なぜ会計ソフトで行えないかというと、会計ソフトは過去の会計記録を行うことがメインであり簿記の仕訳を入力することが前提となっているからです。

中には、キャッシュ(資金)の管理も行える会計ソフトもありますが、ITや会計の知識がないと使いこなすには少々難しいものとなっています。

あとがき

「起業する際に数字の管理は何をやればいいですか?」との問いに対する私の答えは「キャッシュ(資金)の管理をしっかりしてください」です。

この「しっかり」が重要で、その場しのぎで適当に記録してやり過ごすのではなく、きっちり体系的に継続して記録して「しっかり」管理しなければ意味がありません。

しっかり丁寧に管理しておけば、あとで「損益」の管理に情報を利用することもできますし、もし会計事務所と契約をするのであれば、情報のやり取りがスムーズになります。

起業する上であえて簿記を知る必要はありませんし、会計ソフトを使いこなさなくても大丈夫です。

そこは後で専門家に任せましょう。

自分自身が行うことは、とにかくキャッシュ(資金)の管理をしっかりするということを意識してもらえればと思います。