資金繰りの管理は「お金に困ってるか否か」で判断する管理ではない!?
こんにちは、ひめのです。
よく耳にするのが「今は資金繰りに困ってないから資金繰りの管理はしていない(する必要はない)」という類の意見です。
これは果たして正しい意見なのでしょうか?
私の見解としては、現状維持をし続けるだけの事業であればそれでも構わないと思います(それでも資金繰りの管理はしてほしいと思います、、、)が、たとえお金が潤沢にあったとしても、事業を成長・発展させていく意思があるのであれば、必ず資金繰りの管理は必要と考えています。
ではなぜ、お金があったとしても資金繰りの管理が必要なのでしょうか。
資金繰り管理の目的は2つある
資金繰りの管理には当然目的がありますが、その目的は大別すると次の2つに分けることができます。
■維持のための管理
■成長のための管理
「維持のための管理」とは、既存事業を維持するために、資金が枯渇しないよう入出金の予定を管理していくことを指します。
一方「成長のための管理」とは、事業を今以上に成長させるため戦略的に資金を使うことを目的とし、適切な投資タイミングや準備のために入出金を管理していくことを指します。
資金繰りの管理というと、どちらかというとネガティブなイメージを持つことが多く、上記でいう「維持のための管理」を連想しがちです。
しかしながら、本来は「維持」だけでなく事業の「成長」という戦略的な目的でお金を使うためには資金繰りを管理していなければならず、お金の管理を怠ってしまうと思い描いている事業の未来を実現することが難しくなってしまいます。
また、たとえ「維持のための管理」であったとしてもお金のあるうちから管理しておき備えておく必要があるのは言うまでもありません。
では、なぜ成長のために資金繰りの管理が必要なのかを次で詳しく説明したいと思います。
成長意欲のある企業にとっては、お金が回っている時にこそ資金繰りの管理が必要
お金が必要になるときは突然やってきます。
それは昨今のコロナ禍のようなマイナス的な要素だけではありません。
お金が必要になる時は、事業の新たなチャンスが来た時でもあり、チャンスは突然やってきます。
そして、往々にしてその時にまとまった資金を用意する必要が出てくるのです。
例えば「魅力的な事業・業務提携」や「著名なサービスや人物とのコラボレーション」の話が舞い込んできた時、自社にとって大きなメリットとなるのであれば、是が非でもそのチャンスを逃したくないと思うことでしょう。
そして、事業・業務提携や商品・サービスの共同開発などには資金や人的リソースの確保が必要となるケースが多いです。
その際、仮に現在の資金が潤沢にあるとしても全部使っていいわけはなく、既存の事業を回していくお金や借入金の返済資金等も加味して「現状の資金状況でどの程度、お金が使えるか(投資可能か)」ということを、チャンスが来た際にすぐ確認する必要があり、そのためには資金繰りの管理が不可欠です。
たとえお金が足りなかったとしても、もし「予定の時期に使えるお金がどの程度あるのか」「もし足りないならいくら足りないのか」ということを前もって把握できれば、チャンスを掴むための資金調達もし易くなると思います。
逆に、計画的に資金が使えない状況であったり、予定通り資金が使えなかったりすると、提携等の条件が悪くなったり、新たな展開がなかなか実現・進展しなかったりといったことが起こり、結局チャンスを不意にしてしまう可能性が高まっていまいます。
したがって、繰り返しになりますが、事業を発展させるチャンスを掴むためにはお金のあるうちから資金繰りの管理が必要であり、管理をしておけば突然舞い込んだチャンスに対する追加の資金需要への明確な算段がつけられます。
まとめ
では今回のおさらいです。
資金繰りの管理には2つの目的があり、現在お金があるからといって管理しなくていいわけではなく、むしろお金があるからこそ「成長」するためには資金繰りの管理を普段からきっちり行なっておく必要があるということを、今回のブログで書きました。
どちらの目的にしても、資金繰りを管理してお金の流れとその予定を明確にしておけば、どこのタイミングで資金が必要となるかを随分前から把握することが可能となり、資金調達や資金使途の調整等の対策を事前に講じることができます。
そして、資金繰りの管理は、日々のお金のやりくりのみならず「先々事業をどう進めていくか」という「未来的思考」も含めて経営実務においては最も優先されるべき管理と言っても過言ではないと考えています。
「忙しくてそんな管理している時間がない」というのであれば、管理してくれる人を見つけることをお勧めします。
資金繰りの管理は難しい知識は必要としない管理ですので、信頼できる人さえ見つかれば管理を任せることができると思います。