【はじめての在庫管理】 在庫管理初心者がまず取り組むべきこととは!?

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こんにちは、ひめのです。

経営上、在庫管理が大事だということを、色々な方面から情報を見聞きされて実践したいと考えている方も少なくないと思います。

しかし、机上で大事とは思っていても、在庫管理をやったことがない方にとっては、いったい何から始めて何をどうすれば良いのかわからないと悩んでしまうことも多いと思います。

そこで今回は、在庫管理初心者の方のために、実務的な部分についてまず最初にやってほしいこといついて、私の経験を踏まえて解説していきたいと思います。

在庫管理のポイントをおさらい!

そもそも、何のために在庫管理を行うのかというところを改めて考えてみましょう。

在庫を適切に管理しなかった場合、次のようなデメリットがあります。

■必要以上の在庫を抱えてしまい資金繰りを圧迫することにつながる
■過剰在庫で売れ残りがあることにより、販売できず損益に悪影響を及ぼす
■管理状態が悪いと陳腐化や劣化を招き、販売できない不良在庫を抱えてしまう

したがって、言い換えれば、在庫管理を適切に行うことで、適切な在庫数を維持することができると、必要以上の仕入れを行う必要がなくなり、結果として資金繰りの改善にもつながるほか、不要な損失も防げることにもなるわけです。

これらの目的を達成するための在庫管理は?というと、ただ、在庫の数量を数えて把握しておくだけでは足りません。

在庫管理は入出庫管理とセットで考えなければ、本来の目的に見合った効果を発揮することができないのです。

入出庫管理の重要性とは!?

では、次に入出庫管理の重要性について解説していきます。

入出庫管理ができていないと、主に次のようなことができなくなります。

■正確な原価計算
■商品の年齢管理
■在庫の減耗分の把握 など

在庫が減った要因は販売したからなのか、それ以外の目的で出庫したからなのか、もしくは盗難や紛失があったのかということは、入出庫を記録し管理しなければわかりません。

これらは、事後の分析に影響を与えるほか、適切な原価計算にも影響を与えてしまいます(この点については詳しく説明すると長くなるので今回は割愛します)。

また、商品の年齢管理(いつ仕入れたものなのかという管理)には、仕入れの時期に関する記録が必要になりますが、残っている商品の仕入れ時期がいつなのかについては、ただ数量残高だけ追いかけていては当然把握することはできません。

つまり、在庫の増加・減少を入出庫の記録・管理で把握することにより、初めて管理を経営に活かすことができるのです。

また、理論的には入出庫記録の残高と実地棚卸した在庫数量は一致することになります。

したがって、正確で適切な入出庫管理ができていれば、棚卸をする回数を減らすことも可能になるため、結果的に管理コストを減らすことにもつなげることができます。

入出庫管理をやってみよう!

在庫管理を行う上で最も大事なことは「入出庫管理」です。

私としては、在庫管理を行う上では入出庫管理はセットで考える必要があることを意識していただきたいです。

したがって、在庫管理をしっかりやっていきたいと考えている方は、まず入出庫管理がきちんと行える仕組みや体制を整えることから考えることをお勧めします。

入出庫管理とは、文字通り、倉庫へ入庫する商品、倉庫から出庫する商品を把握し、記録していくことです。

では入出庫管理について詳しく見ていきましょう。

まず、「入庫」は主に仕入れを把握することとつながります。

商品の仕入れは、仕入先に発注し、発注通りに納品され、届いた商品に不備等がないかを確認(検収)した後、倉庫に保管します。

この「いつ、どこから、何が、いくつ」倉庫に入ったかという一連の流れを管理簿に記録するのが入庫管理です。

そして、「出庫」は主に販売(売上)を把握することとつながります。

販売に関する大まかな流れは、得意先から注文が入り、注文された商品を倉庫から出庫・検品し、運送会社へ依頼して発送します。

この「いつ、どこへ、何が、いくつ」倉庫から出たかという一連の流れを管理簿に記録するのが出庫管理です。

そして、これらが合わさったものが「受払管理簿」となります。

一番アナログな方法ですが、実務上は、商品ごとの棚に手書きの受払簿を備え付けておき、動きがあった都度書き込んでいくというやり方が基本になります。

商品数や在庫数が多くなればバーコードで読み取る等デジタル化する必要性は出てきますが、基本的な流れや仕組みは同じです。

実際には、「入庫=仕入」「出庫=売上」のみ、という単純なものではなく、返品やサンプル提供、商品交換等もありますので、どのような理由で入出庫されたかを記録しておかないと、後の会計への記帳や分析に困ることになります。

入出庫管理を行いやすくするためのポイント

入出庫管理を行いやすくするポイントとしては下記のようなことが挙げられます。

■倉庫の整理整頓
■倉庫の適切なロケーション設定
■商品の年齢把握(いつ仕入れたものか)が容易になるような配置
■仕入れに関する納品書の管理・整理
■販売の出荷に関する出荷伝票や送り状の管理・整理

大前提として、倉庫の整理整頓は必ず行ってほしいところです。

整理整頓がされていないと、商品なのか会社の備品なのかわからなくなったり、棚卸しや商品の出し入れが大変になったりします。

また、乱雑な状態だと盗難や紛失の発生頻度も高くなる可能性もあります。

また、商品ごとや商品の区分ごとに倉庫のロケーションをうまく設定しておくと、商品の出し入れがしやすくなり把握もしやすくなります。

そのほか、後で確認することは少なからず出てきますので、そこに時間がかかってしまっては本末転倒ですから、関連するエビデンス(納品書や出荷伝票など)は、すぐにアクセスできるようにきちんと整理しておきましょう。

まとめ

今回は、在庫管理を始めるにあたって最初に取り組むべき内容を書きました。

在庫管理から得られる情報は、経営管理上有益な情報となりますが、そこに至るまでには、日常的な入出庫業務と合わせて仕組み化する必要があります。

また、在庫管理は資金繰りにも直結する話ですので、疎かにできない部分でもありますので、まずは入出庫の管理をきちんと行うことから始めて、経営に活かせる在庫管理を実現してみてはいかがでしょうか。