会計実務のDXは本当に進むのか??【単純なシステム導入がDXではないことを理解しよう】
こんにちは、ひめのです。
最近あちこちでDXというワードを見聞きします。
会計実務界隈も例外ではなく、DXを進めていく流れが来ているのかなと感じるわけですが、DXとは単にシステムを導入することやレガシーシステムを更新することを意味するものではありません。 DXの実現は、仕事そのもののアプローチを見直すところから始めなければならないことを理解しなければ達成できないものです。
DXで会計実務の在り方そのものが問われている
私は、DXによって会計実務の在り方そのものが問われているのではないかと思っています。
会計実務は、手書きが会計ソフトになり、インストール型からクラウド型へ変遷し、他の様々な業務とAPIで繋がる時代になりました。
これらの変化があるにせよ、会計実務の根本的な部分は変わることなく、ある意味レガシー化しているといってもいいかもしれません。
「会計理論は唯一無二なのか?」
「本当にその会計処理で良いのか?」
「今の時代の経営に合った会計とは?」
そんなところから疑問を持って今の時代の事業環境に沿った会計実務を実現していくことを模索していかなければならない段階にあるのではないかと個人的には感じています。
つまり、どのようにIT化するかとかどのように省力化効率化するかと言う以前の根本的な部分の検討が必要になってきていると感じます。
今の業務がどうなっているのかまず理解する(業務の棚卸)
会計実務のDXを進めるにあたり、まずは今まで行ってきた決算財務プロセスを棚卸し、どのように業務が流れているかを可視化することから始める必要があります。
なんとなく無駄があるように感じる、なぜかいつも時間がかかっている、といった感覚的なことではなく具体的な要因を見つけるためにも、細かく業務を細分化していくことが求められます。
さらに、そもそも今行っている業務は必要なことなのかどうかも含めて考えていく必要があります。
「こうするのが当然」といった固定概念が根付いてしまっているの会計実務だと思います。
当たり前に行なっている仕訳入力業務一つに対しても疑問を持つこと、それがDXへの第一歩になります。
複雑なことを素早く効率的に処理することだけでなく、複雑なこと自体がそもそも必要ではないのかもしれません。
ITシステムの理解を深め、利用者のリテラシーを高める
どんなに素晴らしいITシステムを導入したとしても、利用する側に問題があれば全く機能しないものとなり宝の持ち腐れとなってしまいます。
やはり、事前準備・設定作業・運用管理は人の手で行わざるを得ないため、導入するITシステムの理解を深めた人材が不可欠となります。
また、DXがなかなか進まない理由の一つには、今までとやり方が大幅に変わることに抵抗感を示してしまうことも挙げられます。
「なぜDXに取り組まなければならないか」
「実現した後どのような姿になっているのか」
ということをしっかりイメージできるよう事前の理解を深めるとともに、担うべき人材の育成や確保に力を入れていかなければなりません。
その点を疎かにしていると、ただDXというバズワードに踊らされてITコンサルタントと名乗る人たちの言いなりになってしまい、結局何がしたかったのかわからないような結果を招くことになってしまいます。
ITシステムを一つ導入するだけでもかなりの導入コストがかかります。
それは単に金銭的なことだけでなく時間的な部分でも負荷がかかります。
むしろ時間的な負荷の方が大きいかもしれません。
貴重なリソースを割さいてコストをかけて行う以上、「DXで何を達成したいのか」ということを最初から見据えておくべきです。
例えば、 ITシステムが「あれもできるこれもできる」といった機能リッチな部分に目を奪われて「これ一つあればなんとかなるだろう」と安易に判断してしまうのではなく、いかに自社が継続的かつ効果的に運用できるものかどうかを考え、大きく変わる姿をイメージして望まなければならない取り組みがDXです。