いまさら聞けない・・・損益分岐点ってなに?? わかりやすく解説します!

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こんにちは、ひめのです。
「損益分岐点」という言葉はビジネスにおいて一度は聞いたことがあると思います。

言葉から、なんとなくどういう意味か推察できると思いますが、実際どういう指標で実務上の注意点が何なのか、ちゃんと理解してない人も多いかと思います。

今回はそんな「損益分岐点」について、わかりやすく解説してみたいと思います。

損益分岐点ってなに??【損益分岐点の概要】

言葉ではわかりわかりづらいので、まずは下のグラフを見てください。

上記図のグラフを見ていただくとイメージしやすいと思いますが、損益分岐点とは、「損益がマイナスからプラスに転じる点」です。

事業では売上がなくても一定の費用がかかっていいますので、売上が小さいと損益はマイナスとなります。
そして売上が増加してくると、ある時点で費用よりも売上の方が多くなり利益が出るようになります。

この利益へと転じる時点を損益分岐点といいます。

会話の中で「損益分岐点は〇〇円ですね」と言っているのは、利益が出だす売上高の目安が〇〇円ということを意味します。

この損益分岐点は、事業全体として利益が出せるだけの売上高(又は販売量)がどのくらいになるのか、ということがわかる指標です。

したがって、見方を変えた言い方をすると「損益分岐点を超えると会社にお金が貯まっていきだす」と考えても良いと思います。

事業ではなるべく早く損益分岐点を超えるための経営努力をして、プラスの循環にはやく持っていきたいところです。

損益分岐点ってなに??【損益分岐点の具体的な計算方法】

損益分岐点の具体的な計算をするにあたって、知っておくべき3つの用語があります。

  ■変動費
  ■固定費
  ■限界利益

です。

【変動費とは】
売上高の増減に比例して増減する費用

例:仕入、外注費、販売手数料など

【固定費とは】
売上高の増減とは関係なく発生する費用

例:地代家賃、広告宣伝費、人件費など

【限界利益とは】
売上高から変動費のみを差し引いた利益

限界利益=売上高−変動費

具体的な計算方法ですが、損益分岐点は利益がゼロとなる点ですので
【売上高=変動費+固定費】
となるように計算します。

したがって、損益分岐点売上高を求める計算式は次のようになります。

損益分岐点売上高=【固定費÷限界利益率】
(限界利益=固定費ですので、上記の計算式が成立します)

では、この計算式はどこで活用されるのでしょうか。

損益分岐点売上高は、自社の事業の特性を知るためや、新事業を行うにあたっての最低限の指標を明確にするために利用します。

実務上は、次のような手順で活用することが多いのではないか思います。

①固定費を把握

②商品1つを販売するのに必要な変動費を把握

③商品一つの限界利益率を算出

④固定費÷限界利益率の式で損益分岐点売上高を算出

⑤損益分岐点売上高÷販売単価=必要な販売数量

ある時点の損益分岐点を把握していたとしても、固定費や変動費は変わることがありますので、その都度損益分岐点が変わり、結果として販売すべき数量が変わることになります。

実務上の注意点

全段でも書きましたが、一回損益分岐点を把握して終わりではなく、事業を行っている以上固定費や変動費は変わっていくのが普通ですので、損益分岐点を定期的に見直すことが大切です。

また、固定費と変動費の判断にも注意が必要です。

良く目にするのが、変動費を「毎月一定でない費用」と勘違いしているケースです。

変動費は「売上高の増減に比例して増減する費用」ですので、この定義に当てはまらない費用は固定費となります。

変動費と固定費の振り分けの判断を間違えると損益分岐点売上高の計算結果も変わってしまいますので、この振り分けには十分注意して管理する必要があります。

また、各勘定科目の中に変動費と固定費が混在することも多々ありますので、会計帳簿上から情報を取得するのであれば、あとで集計できるような追加的な設定管理も必要になってきます。