なぜ儲かる企業は『キャッシュ・フロー(資金繰り)』を管理しているのか??

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こんにちは。ひめのです。
仕事柄、過去様々な企業を見てきた中で総じて感じることは「キャッシュ・フロー(資金繰り)を緻密に細かく管理し、経営者が資金の状況を的確に把握するよう努めている企業ほど、儲かっているということです。

もちろん例外はあるかと思いますが、総合的な私の印象では経営者のキャッシュ・フロー(資金繰り)に対する意識が高く管理を徹底している方が儲かっているし、事業も伸びていると感じます。

今回は、その理由について私なりに考えた内容を書きたいと思います。

やっぱりわかりやすく直感的、かつ重要なのは「損益」ではなく「キャッシュ・フロー(資金繰り)」

なぜ儲かる企業はキャッシュ・フロー(資金繰り)を細かく管理しているのか。

理由はいくつかあると思いますが、一番大きなところでは、結局は企業を動かす源は「資金(お金)」であり、それを直接的に管理できる情報は「損益」ではなく「キャッシュ・フロー(資金繰り)」であるということを強く認識している結果だと思います。

そのため、とにかく妥協せずきっちり管理し、結果的に事業の発展に繋げることができているのではないでしょうか。

キャッシュ・フロー(資金繰り)の管理を細かくすることが、なぜ「儲け」につながるのか。それは、試算表を見て「利益がどう」とか分析して「※※率がどう」とか、というよりも重要な情報を得ることができるからです。

重要な情報とは、具体的には例えば次のような情報を取得・管理できるのがキャッシュ・フロー(資金繰り)の管理です。

■利益が安定するまでにいかに資金を回すか

■収益を伸ばすための投資のタイミングの把握

■事業を拡大するための投資のタイミングの把握
など

事業を継続することや事業を発展させることは、帳簿上の損益ではなく「収入と支出のバランス」によって未来が変わります

良く「経営は先の先を見て判断する」と言われますので、目先の利益にとらわれない中長期的な投資的視点が不可欠なのは言うまでもありませんが、その視点に欠かせないのがキャッシュ・フロー(資金繰り)の管理なのです。

このように考えると、キャッシュ・フロー(資金繰り)を細かく管理している企業が儲かっているというのも納得ができます。

キャッシュ・フロー(資金繰り)はあらゆる取引の集約であり、真っ先に取り組むべき管理対象

キャッシュ・フロー(資金繰り)の管理について、少し別の目線で見てみましょう。例えばこんなことにも役に立ちます。

一般的には多くの企業は、帳簿上売上が上がっただけではお金は入ってきていませんので、ちゃんと代金を回収してはじめて様々な支払いや投資の原資ができます。

会社の資金繰りがうまくいかなくなる原因には、未回収の売掛金が多く存在していることも少なくありません。

この点、入金管理だけをしていれば良いかというとそうではなく、支払とセットで考えキャッシュ・フロー(資金繰り)として管理することが重要です。

キャッシュ・フロー(資金繰り)として管理することで、得た収入から支払うというサイクルが意識され、入金管理のも上がり未回収の件数が減ることが期待できます。

どのような事業でも少なからず先行投資がありますので、仮に安定的に利益が出たとしてもそれ以上の支払いが発生することも多く、入金が支払いのサイクルと必ずしも一致するわけでもありません。

また、成熟した企業では、現状の維持とさらなる事業発展を両立していかなければならず、資金の使い所はますます難しくなってきます。

そんな中で管理は必要不可欠であるわけですが、どの企業も行っている帳簿付けから取得できる情報である「損益」というものは、あくまでも事業活動の結果であり一定期間の成果でしかありません。

言い換えると「お金を動かし事業を動かした結果」でしかないのです。

まずやらなければならないことは「事業を動かすこと」であり「事業を動かすことはお金を動かすこと」です。

そして適切にお金を動かすためには、きめ細やかなキャッシュ・フロー(資金繰り)管理の管理が必要ということになります。

「真っ先に管理すべきはキャッシュ・フロー(資金繰り)の管理である」ということを理解し、疎かにするべきことではないと直感的に理解している経営者が、結果的に儲かる企業を創り上げているのだと思います。

大事なことは経営者が的確に把握できる仕組み・環境であること

たまに「お金のことは任せているからわからない」と言う経営者の方がいますが、逆に自分が経営する会社のお金の流れも把握せず経営をしていることに危うさを感じます。

キャッシュ・フローの管理自体は経営者自らが行う必要はありませんが、いつでも状況を把握できている状態にしておくべきで、儲かっている企業はそうなっています。

つまり、誰かに管理は任せたとしても、定期的に報告を受けたり、そのことについてディスカッションしたりと、いつでも管理内容を確認できるようにしておく必要があります。

企業が大きくなればなるほど管理は分業化されていきますが、それでも事業が伸びている企業の経営者は会社全体のキャッシュ・フロー(資金繰り)とそれらの今後の見通しは常に把握できる体制を構築し、的確なタイミングで的確な経営判断を下すことができるようにしています。

大事なことは、経営者が的確に把握できる仕組み・環境をつくることであり、管理自体を経営者が行うことではありません。

まとめ

以上「なぜ儲かる企業はキャッシュ・フローを細かく管理しているのか?」ということについてその理由を考察してみました。

「稼いだお金が何に使われているか」というのは、試算表から把握できる「損益」よりも「キャッシュ・フロー(資金繰り)」の方が直感的でわかりやすい上に重要な情報です。

さらに将来の予定まで含めて考えなければならない経営判断となると、ますますキャッシュ・フロー(資金繰り)をメインで考えていく必要があるため、儲かる企業で最重要視されるべき管理であるというのは容易に理解できるのではないでしょうか。