日本企業のRPA導入はDXから逃げている証拠!? その理由を解説します!

こんにちは、ひめのです。
最近よく耳にする方も多いかと思いますが、日本でもRPAの導入が進んでいます。

生産性向上・自動化を目的として導入されていますが、日本企業の場合のRPA導入は、DXから逃げている結果として捉えられる事例も散見します。

そこで今回は、日本企業におけるRPA導入背景が日本企業のデジタル化を遅らせている要因であることについて、その関係性について書きたいと思います。

RPAとDX

まず、RPAとは何かを端的に説明すると次のようになります。

RPAとは「ロボティック・プロセス・オートメーション」の略称で、人が行う作業をソフトウェアロボットが代わりに行い自動化を実現するツール

海外でも少し前からRPAの導入は盛んになってきており、今後RPAの導入が益々増えてくると予想されます。

次に、DXについては次のように定義づけられています。

DXとは「デジタルトランスフォーメーション」のことであり「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」という概念で、スウェーデンのウメオ大学教授、エリック・ストルターマンが提唱

日本でもデジタル庁が昨年9月から設置され社会全体としてDXを推進するための施策を実施しようとしています。

定義からもわかるように、RPAはDXの過程で利用される一つのツールと考えることができますので、RPAを導入することはDXを推進していることになるのでは?と感じると思います。

では、なぜ日本企業の場合のRPA導入はDXから逃げている結果なっていることがあるのでしょうか。

日本企業におけるRPAの導入がDXから逃げていると表現するにたる根本原因は、RPAを導入しようとする「動機」にあります。

業務の一部がRPAに置き換えられていくことは世の中の流れではありますが、日本企業の場合は「DXが面倒だからとりあえずRPAを導入しておこう」という発想が多いです。

つまり既存の基幹システム既存の業務フロー(ワークフロー)変えずにRPAを導入して自動化を試みようとするところが日本企業の特徴です。

ありがちですが「とりあえずやっとこう」感があり、根本から変えようとしないで問題を先送りにしていることが、DXを取り巻くRPAの導入にも言えることなのです。

日本企業のRPA導入に対する姿勢がDXとならない理由として、一つは、根本的な部分がデジタル化されないのでDXによる事業や産業の革新が起こりにくくなる(起こらない)ことです。

もう一つは既存の業務フローそのままでRPAを導入し自動化することは将来的なリスクを抱えてしまうことになります。

このような方針でRPAを導入してしまうと、多少業務が自動化されたとしてもDXの本質には辿り着けず、場合によっては却って非効率になってしまうこともあり得ます。

では、この二つの理由についてもう少し解説したいと思います。

根本的な部分がデジタル化されないのでDXによる事業や産業の革新が起こりにくくなる

少しマクロの話になりますが、RPAを導入しても既存の取引の流れがそのままの場合、既存の業務は多少自動化により効率化され生産性が向上するかもしれませんが、それ以上何も変わりません。

最初にも書きましたが、DXとは「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」ことであり、企業活動においては事業自体を変革させるきっかけとすることにつながります。

既に世界的に台頭してきている企業がそうであるように、DXにより今までの事業のやり方そのものが変わったり、産業そのものが新しく生まれたりします。

日本が世界からデジタル化に遅れてしまったのは既知のとおりであり、その要因が引き起こしているのがこの「RPA導入勘違い問題」とも言えます。

今までやってきたことを「手放せない・変えれない」という、日本経済の成功体験があるからこそのマインドでもあると思いますし、それが日本のDXを阻んでいると言っても過言ではないと思います。

既存の業務フローそのままでRPAを導入して自動化することのリスク

既存の業務フローを変えずにRPAを導入すると、その後のメンテナンスが大変です。

もともと紙ベースでやっていたようなことをRPAにより自動化するので、前提となる設定も複雑となってしまいます。

また、一部は自動化できてもその前後がボトルネックになってしまうなど、導入の仕方によっては却って非効率になってしまうこともあります。

例えば、請求業務の一部をRPAにより自動化するとした場合「出荷情報→請求書作成」が自動化対象と決めたとします。RPAがやってくれることは「出荷情報を取得してExcelの請求書を自動作成して印刷する」ということになります。

これをするのであれば、請求発行サービスと出荷管理サービスをAPI連携して利用する方が、効率化される可能性が高いです。

つまり、真の効率化を求めるのであれば業務フローそのものを整理して変更しなければ最大限の効果は得られないということを意味します。

まとめ

RPAを導入するにしても、業務全体を俯瞰して見れるようになっているかどうかが重要です。

普段業務をこなしている人でも、業務フローが可視化されていないと、どこに問題がありどこの部分にRPAを導入できるかは的確に判断できません。

自動化・効率化・生産性向上、ひいてはDX推進にあたって、魔法の杖のようなものは存在しません

デジタル化といっても、その達成までの過程は泥臭く根気のいるプロジェクトになることを認識することが必要であり、業務プロセスや事業のことを理解できる人材を交えて実行することが求められます。

したがって、RPAも含めたデジタル化やDXに関する様々な広告やPRを目にしますが、安易なツール導入等は根本的に誤った方向に行く可能性があることを理解しておかなければならないと私は思います。