経理の仕事で一番大切な能力とは?? →簿記や会計の知識があることではありません

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こんにちは、ひめのです。
経理の仕事をする上で、一番大切な能力は何だと思いますか?

私は簿記や会計の知識があることではないと思っています。

今回は、私が考える経理の仕事をする上での一番大切な能力について書きたいと思います。

経理の仕事で一番大切な能力とは??

経理の仕事をする上で一番大切な能力は「企業全体を俯瞰し考える力」です。

企業の事業活動の全てが財務諸表に表現されることになるため、経理の仕事をする人は誰よりも企業全体のことを知っていなければなりません。

そして、企業が行う取引を会計処理に落とし込む際にどのような処理方法が最も事業の状況を表すことになるのかを常に検討しなければならないのが経理の仕事です。

また、経営判断するための数値情報を提供する上では、例えば「損益はどのような粒度で管理すべきか」「資金の状況をどのような集計方法で伝えるべきか」などについて考えなければなりません。

どのような情報が経営判断をする上で有益か検討する上でも、ただ知識があるだけではなく、その知識を活かすために企業全体を俯瞰し考える力が必要と思います。

さらに別の視点で見ると、経理は取引情報を多方面から取得してこなければならない仕事でもあります。

したがって、必要情報がどこから取得できるのかやその方法容易さ業務フローの構築までも含めて考えた上で、滞りなく会計処理をするために必要な情報を取得できるよう管理しなければなりません。

その意味でも、企業全体を俯瞰して見ておかなければ、どこのフローでボトルネックとなるのかが把握できず、経理業務が停滞し経営陣への報告が遅れ、結果として企業全体に損失を発生させてしまう恐れもあります。

簿記は単なる手段であり、経理の仕事はその先にある

過去のブログの会計基準の解説でも書きましたが、会計処理方法はわかっていても、会計処理に至るまでに「対象となるか否か」または「どの方法に当てはまるか」などの検討が必要なケースが多々あります。

例えば、次のような場合には検討が必要となります。

■売上計上基準の判断
■貸倒引当金の計上に伴う債権区分や引当額の判断
■税効果会計の回収可能性の判断
■子会社に該当するか否かの判断
■子会社を連結の範囲に含めるか否かの判断
など

簿記や会計基準上の処理方法はただの手段であり、本来機械的に適用するものではありません

売上を計上するには「売掛金/売上高」という仕訳を計上するということを簿記の知識として習得するでしょう。

しかし本来実務では、その仕訳を「計上するタイミングがいつにするべきか」ということを会計基準と自社の販売プロセスと照らし合わせながら検討し判断する必要があります。

これらさまざまな検討は、自分の企業のことを良くわかっていなければ行うことができませんので、全体としての視点を持ち合わせていないと論理的な結論が導き出せません。

極論、会計処理方法は会計基準等を見れば書いてありますので、忘れていても調べれば済みます。

しかし、その処理方法をいかに自社に適用するかという点については、どこにも書いていませんので、会計基準の趣旨をよく理解した上で自ら判断しなければなりません。

経理の仕事は事務処理をする仕事ではなく、最終的に企業の経営に資する情報をもたらす仕事であると思います。

その過程として事務処理が一部存在しているだけであり、そこを履き違えて考えてしまうと、経理を軽視したり経理部門を縮小したり、簡単にオートメーション化できると安易に考えてしまうことにつながってしまいます。

これからの時代の経理に必要な能力

経理の仕事においては、このほかに今後必要となってくる能力として、ITを利用するためのリテラシーを備えておくことが重要になってきます。

DXが進んだとしても、その管理主体は人ですので経理の仕事はなくなりません

ただし、単純な事務作業に時間を費やす仕事よりも、ITを理解し使いこなし管理する仕事が増えると思われますので、そのような人材が今後は重宝されることと思います。

そして、DXにより効率化した先に企業が新たな価値を生み出すことができるよう、経営を支援するのが経理の仕事であると考えています。

近年経理を取り巻く環境も急速に変化し、DXを推進できるITサービスがいくつも誕生していて、それらITサービスも日々進化しているため、利用する立場となる経理担当者としては、柔軟に対応できる知識と能力が求められています。

ここでも大事なことは企業全体を俯瞰して見て判断できるかどうかです。

経理の仕事は企業のあらゆる業務と繋がっていると言っても過言ではありませんので、企業全体の業務フローの最適化と新たな付加価値がどう生み出せるのかを良く考え検討してITサービスを扱わなければなりません。

今後10年くらいでさらに大きく変化することが想定される中、経理の仕事もなくなるというよりは、形を変えてより重要性が増してくるのではないかと思います。